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SOUL NEXUS


祥晴庵 (2025年7月・ 京都)



2025年7月14日(月) ~ 7月20日(日) 
営業時間: 12:00 -18:00
お休み: 7月18日(金) ※宇治観光ツアー開催のため

︎ オープニング:7月14日(月)  17:00 -19:00
︎ 対談:7月16日(水)  16:00 -17:00

会場:祥晴庵 
〒603-8156 京都府京都市北区小山中溝町19−2
● 京都市営地下鉄 烏丸線 「鞍馬口駅」から徒歩5分ほど


FAX 075-432-4875
Eメール kawamura.nohgakusha@gmail.com

協力 : TEZUKAYAMA GALLERY





︎ 関連イベント①


能へのいざない「頼政」


7月17日(木)18時より、河村晴久氏の「頼政」のご公演が、京都観世会館で開催されます。ご参加の場合は以下より、お申し込みください。

お申込:https://nohgakusha.sakura.ne.jp/event/


7月17日(木)18:00 -20:45
(18:00開場 18:45開演〜20:45終了予定)

会場:京都観世会館  
京都市左京区岡崎円勝寺町44

公演内容:

第一部
解説:能について 河村晴久
能装束の着付:河村奈穂子

休憩

第二部
(半能)頼政  
頼政の霊 河村晴久  
旅僧 有松遼一






︎ 関連イベント②

宇治平等院と頼政の古跡を訪ねて


7月18日(金)10時半から、 河村晴久氏のご解説のもと宇治平等院と頼政の古跡を訪ねるツアーを開催します。ご参加の場合は以下より、お申し込みとお問い合わせください。(※この日はツアーのため展示はお休みとなります)

お申込・お問合: 株式会社能楽舎
Eメール kawamura.nohgakusha@gmail.com

7月18日(金) 10:30 -14:30

参加費: お一人12,000円 ※平等院、鳳凰堂拝観料・御食事代を含む

人 数: 24名様限定

<スケジュール>

10:30 京阪宇治駅集合
10:45 平等院

頼政の墓 能「頼政」の謡をお聞きください
扇ノ芝 頼政自害の地
鳳凰堂 浄土世界を
鳳翔館 博物館

12:15 御食事(京料理辰巳屋)
13:30 川沿いを散策

宇治十帖の能「浮舟」の一節を景色を見ながら

13:45 宇治神社
14:00 宇治上神社
14:30 通圓茶屋(京阪宇治駅前) ※こちらで自由解散





「SOUL NEXUS」


「能面は、決して【mask(覆うもの)】ではないという、演者の内側を表出するもの、だから、【面(おもて)】と呼ばれる」。これは今年の3月、京都観世会館で開催された河村晴久さんの誓願寺のご公演を観た後、お会いした際に、このようなご説明をいただき感銘を受けた。また、ご公演のときにお召しになる装束に施されている、装飾の特徴についても教えていただき、「一見すると同じ模様の【型】が、ただ反復しているものに見えるが、実は使用する【色彩】が少しずつズレていて、それが【広がり】を表現している」とのことで、実際のお召し物を拝見させていただくと、確かに部分によって色の配置が絶妙に異なっており、非常に多様なバリエーションが、その意匠性の中に隠れていることに気付く。限られた色数や定まった型の中でも、そこに僅かな差や変化を与えることで、様々な組み合わせを嗜(たしな)むことができる。このプロセスは、きっと「能」という極められた様式美の根幹にも通じるもので、私たちの知覚の及ばない世界の【広がり】に結びつくための、重要な手掛かりの一つを河村さんからご教授いただいたように思えた。

今回、その河村さんの稽古場である「祥晴庵」で、展示をさせていただく運びとなった。私にとっては、普段、展示をする空間とは、まるで異なる神聖な場で、作品がどのように立ち振る舞いを見せるのか、全く未知数な試みであり、河村さんにとっても、重要な場所を解放いただき、またご自身も伝統と新しい挑戦の双方に向き合うという、とても大きなご決断であったと思う。大袈裟にではなく、21世紀における伝統や文化の在り方やその意味を問う、そのような重責を担う機会だと感じている。

伝統性と現代性は、一見、相容れないもののように思えるかもしれないが、伝統芸能も現代美術も、「一般的には難解なことが多い」という点において共通している、と言えるのかもしれない。現代美術においては、【文脈】という美術の歴史の流れを最低限、押さえておく必要があって、この共通言語を知ることで、作品の意図や新しさを理解できるような仕組みになっている。英語が喋れないと海外で苦労することと同じで、おそらく能の世界においても、その言語が公にされていないというような、同様の壁があるのではないか。ただそれは、そのどちらも、神がかったことや、精神や魂のこと、あるいは人間の新しい感覚の拡張の問題を扱っていて、その難解さは、人が安易に足を踏み入れることのできない場所に、命を懸けて向き合っている、という証拠のように思う。

「深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いている」という有名な言葉があるが、目に見えない【広がり】と向き合うことは、その表現者であれ、鑑賞者であれ、その資質がきっと常に問われる。制作や展示をすることも、自身の在り方を問う、そのような機会だ。今回、このような多大なチャンスを与えてくださった河村さんへの深い感謝と共に、伝統と現代の両方に対峙できるという、いつも以上の期待と緊張感に、気持ちがかなり高まっている。


2025年6月 門田光雅





鈿女 (UZUME)
2025 Acrylic and Carborundum on cotton
1457×896mm





頼政 (YORIMASA)
2025 Acrylic and Carborundum on cotton
730×608mm


誓願寺 (SEIGANJI)
2025 Acrylic and Carborundum on cotton
730×608mm
屋島 (YASHIMA)
2025 Acrylic and Carborundum on cotton
730×608mm


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