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神はサイコロを振らない


LIME RESORT HAKONE (2024年12月・ 箱根)


開催中



︎プレスリリース

2024年12月14日(土)〜 2025年5月18日(日)

◾宿泊のお客様は、滞在中ご覧いただけます。
◾宿泊のないお客様は、ご覧いただく日時に限りがございますので、ライムリゾート箱根の公式インスタグラムにてご確認ください。

https://www.instagram.com/limeresorthakone

ライムリゾート箱根は、完全貸切可能な合宿型の滞在を提供しております。貸切がない日程はホテルとして営業しておりますので、個人での宿泊や日帰り利用も可能です。(※レストランはございません)


ライムリゾート箱根
2500631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1246-845

■ご予約・お問い合わせ先
TEL 0460-83-8272

︎LIME RESORT HAKONE website





人は「多面体」であると、よく例えられる。良い面、悪い面、様々な面が、組み合わさってできていて、決して一つの面だけで捉えることはできない。

サイコロを振る時、その個数が増えれば増えるほど、同じ目を出すことが、どんどん難しくなっていくように、人の数と、その側面の数だけ、今日の複雑さがあるのかもしれない。同じ立場や、同じ目に合ってみなければ、人は、なかなかその苦悩を理解することは難しい。出生を変えることは不可能であり、男性が子供を産むことは叶わないというような、抗うことが出来ない現実もある。

かつてニュートンが、プリズムによって光の屈折率を確かめて、音楽の音階に対応して虹の7色を定めたというエピソードがあるが、不可解な多面体である私たちの本質を、もし光の波長のように透過させるようなことができたなら、もっと正確な検証や観測をすることができるのだろうか。またその時は、音楽の調べのように美しい旋律として、奏でられるようなものであると信じたい。

芸術家は、そのような滑稽で盲信のような方法の一つとして、作品を作り続けることで、人間の内に秘める多面性を探っている。それは、サイコロを無意味に振り続けるような挑戦だ。ただ時折、その出鱈目が、言語や国境、立ち位置を超えて人の心を揺さぶることが、美術というものの不思議であり、真髄でもあるように思う。

カエサルは「賽は投げられた」と言い、アインシュタインも「神はサイコロを振らない」という言葉を残している。歴史上の偉人たちもきっと、随分と運命や宿命に翻弄され、葛藤し、挫折する中でも、挑み続けていたに違いない。


2024年11月 門田光雅

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